看護師として各医療分野に従事するにあたって、ぜひ目指したい医療資格が、専門看護師だ。
専門看護師とは、様々な病気によって完治や日常生活への復帰が困難とされる患者へ専門的なケアを行える資格である。
いうなれば、医療看護の特定分野におけるエキスパートだ。
世の中には、金銭面や環境面で確実に満足できる医療が受けられない患者も大勢いる。
そのような問題を抱える患者たちに対して、適切かつ水準の高い看護を提供できることが、この資格を持つ看護師に求められるスキルである。
専門看護師の資格認定制度は、日本看護協会と日本看護系大学協議会によって実施されている。
各会の厳正な調査、審査によって相応の知識と経験を有すると認められた者のみが、専門看護師の資格を得ることができる。
専門看護師の資格を得られる条件は、看護系大学院修士課程修了者。
かつ日本看護系大学協議会が定める専門看護師教育課程基準の所定単位(総計26単位もしくは38単位)を取得すること。
そして実務研修を5年以上積み、うち3年間以上の専門看護分野の実務研修を受けることである。
より長く専門的な看護に従事してきた者に、専門看護師の道が開かれる。
専門分野も多岐にわたり、がん看護から精神看護、小児、老人看護など幅広い。
資格取得は厳しい審査を潜り抜けなければならない狭き門である。
そのため、専門看護師として認定された看護師は少なく、有資格者が常勤している病院も少ない。
だからこそ、今後の医療業界では求められる資格であり、仕事の幅も広がって、看護師としてのスキルをさらに向上させることができるのだ。